下水用空気弁・バルブ

 下水用空気弁とは? 下水用空気弁
下水用空気弁は、下水道専用に開発されたもので、弁箱内に空気溜まりを設けることによって 閉塞や漏水を抑制します。
 また、高い防食性能も持っています。  



 設置基準
 基本的な設置場所について以下に示します。
設置基準
No. 設置理由
ポンプから混入する微細な気泡、遮断弁の直下流部など、圧力低下で発生した気泡を取り除くために設ける。
管路の凸部、水管橋、橋りょう添架管の中央部など、空気がたまりやすい場所に設ける。 この場合の凸部とは、全管路を通じての最高部の意味ではなく、局部的にその付近の最高所であり、水管橋、橋りょう添架管の中央部もこれに相当する。
保守点検あるいは工事作業上など、管内の下水を排出する場合、管内の負圧防止と排水作業を容易にするために、遮断弁の前後に取り付ける。
平坦部から下り勾配に移る地点は、空気がたまりやすいために設ける。
連続する下り勾配で管路勾配が変化すると、空気連行ができなくなり、空気溜まりができやすいために設ける。空気を流れにより流下させるに必要な最小流速はケント(J.C.Kent)の式によって求め、管内流速が限界流速より遅い場合には空気弁の設置を検討する。
(ケント(J.C.Kent)の式についてははコチラをご覧ください。)
遮断弁と遮断弁との間に凸部のない場合、どちらか高い位置の遮断弁の下流側に設ける。
勾配のない管路でも1kmに2〜3個所設置するのが望ましい。


 バルブ類の選定
 
外ネジ式ソフトシール
仕切弁
外ネジ式金属弁座
仕切弁
下水用空気弁
(補修弁付)
偏心構造弁
遮断用
管路切替用
吸排気用
ドレン用


 バルブの機能一覧表
  (出典:土木研究所資料 下水道幹線圧送検討資料集)
表1
 
ソフトシール仕切弁
金属弁座仕切弁
下水用空気弁
形式
外ネジ式
外ネジ式
補修弁付
呼び径
(mm)
φ50〜φ500
φ600〜φ1000
φ75
使用圧力
(MPa)
0.74
0.44
0.74
最高許容
圧力
(MPa)
1.27
0.98
1.72
適用規格
JWWA B 120
JIS B 2062準拠
フランジ
寸法
JIS G 5527 (ダクタイル鋳鉄異形管)RF形 7.5Kに接続可能
止水性
良好
良好
良好
止水方向
の制限
なし
なし
特長
1. 全開時の圧力損失が小さい
2. 堅牢で耐久性がある。
3. 弾性シートのため止水性がよく、操作が軽快である。
4. 弁箱底部がストレートで凹溝がないので堆積がない
5. 部品交換が容易である
6. 内外面エポキシ樹脂粉体塗装、弁体はゴムライニング
1. 全開時の圧力損失が小さい
2. 堅牢で耐久性がある。
3. 弁座の耐久性が優れている
4. 内面にエポキシ樹脂粉体塗装を施すことができる

1. 汚水、汚泥の吹き出しを防止する構造になっている
2. ゴミ、土砂、泥がつまりにくい構造になっている
3. 内外面にエポキシ樹脂粉体塗装
4. 補修弁を閉じれば、システムの運転を止めずに点検などの維持管理ができる
問題点
1. 全開、全閉使用が原則で中間の使用には適さない
1. 全開、全閉使用が原則で中間の使用には適さない
2. 弁箱底部には砂等の異物が堆積しやすい
1. 屋内の使用では臭気対策が必要である
使用上の
留意点
1. できる限り据付姿勢は立形とする
2. 粉体塗装に傷を付けないよう据付時の取り扱いに注意が必要である
1. できる限り据付姿勢は立形とする
1. 空気弁室が必要である
2. 補修弁が必要である
3. 起動、停止の多い運転に使用する場合は、汚泥堆積防止のため点検周期に注意を要する
4. 分解時以外はエアー抜きは禁物である

表2
 
偏心構造弁
逆止弁
逆止弁
形式
スイング式
フラップ式
呼び径
(mm)
φ75〜φ500
φ50〜φ1000
φ300〜φ500
使用圧力
(MPa)
0.44
0.44
0.05
最高許容
圧力
(MPa)
0.98
適用規格
フランジ
寸法
JIS G 5527 (ダクタイル鋳鉄異形管)RF形 7.5Kに接続可能
止水性
良好
良好
多少の
漏れあり
止水方向
の制限
あり
あり
あり
特長
1. 仕切弁に比べ、高さ寸法が小さく、操作トルクも小さい
2. 流路がストレートのため汚泥などに適している
3. トップエントリー構造のため弁箱を配管より取り外すことなく内部点検ができる
1. 弁体の自重で閉止し少ない背圧で逆流を防止できる
2. 急止型と緩止型がある
1. 管嘴用
2. 急激な逆流の防止
問題点
 
1. 弁体自体が抵抗となるため圧力損失が大きい
1. 多少の漏れあり
使用上の
留意点
1. 据付防止水方向に制限があるので、注意が必要である
1. ウォーターハンマーに対する検討を必要とし、それに伴いハンマー防止構造を考慮すること
 


 機種別構造・材質および寸法一覧表
 ソフトシール仕切弁(JWWA B 120)の構造・形状および寸法(例)
ソフトシール仕切弁(JWWA B 120)の構造・形状および寸法(例)

材 質
番号 部品名称 材料
1
FCD450(粉体塗装)
2
FCD450(粉体塗装)
3
FCD450
全面ゴム(EPDM)ライニング
4
SUS403
5
SUS403、SCSまたはC3771
6
FCD450
7
BC6
8
FC200
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径
D
面間
L
H1
(約)
H2
H3
75
240
530
106
220
100
250
610
119
250
125
260
710
132
280
150
280
830
145
330
200
300
1030
171
420
250
380
1230
205
480
300
400
1430
232
580
350
430
1790
265
650
400
470
1990
291
730
450
500
2210
326
800
500
530
2400
353
880
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能

 外ねじ式仕切弁(金属弁座形)の構造・形状および寸法(例)
外ねじ式仕切弁(金属弁座形)の構造・形状および寸法(例)

材 質
番号 部品名称 材料
1
FC200
2
FC200
3
FC200
4
SUS403
5
BC6/SUS304(下水他用)
6
SUS403
7
   
FC200
8
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径
D
面間
L
H1
(約)
H2 H3 H4
600 560 2980 480 940 2190
700 610 3450 540 1080 2570
800 690 3730 600 1200 2740
900 740 4260 690 1340 3180
1000 770 4530 730 1460 3380
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能

 手動式バタフライ弁(金属弁座形)形状および寸法(例)
手動式バタフライ弁(金属弁座形)形状および寸法(例)
材 質
番号 部品名称 材料
1
FCD405、SCS13
2
FCD405、A1BC
3
SUS403
4
SUS304、SCS/
特殊ステンレス鋼、
A1BC、モネル合金など
5
合成ゴム
6 FC200など
7
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径
D
面間
L
H1 H2 H3 H4 H5
300 400 270 290 760 300 540
350 430 300 290 800 340 560
400 470 350 380 870 380 690
450 500 380 380 910 410 690
500 530 400 380 1070 450 750
600 560 450 360 1130 510 770
700 610 500 390 1190 560 820
800 690 580 390 1250 630 860
900 740 650 540 1370 690 990
1000 770 750 540 1430 760 1010
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能

 偏心構造弁の形状および寸法(例)
偏心構造弁の形状および寸法(例)
材 質
番号 部品名称 材料
1

FC、FCD

2
FCD、SCS
3
合成ゴム
4
FC、FCD
5
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径
D
面間
L
H1
H2
H3
H4
75

240

150 420 340 305
100 250 160 440 350 310
125 260 180 490 380 320
150 280 210 530 400 330
200 300 240 590 450 410
250

380

270 650 520 450
300 400 320 800 540 580
350 430 350 820 610 600
400 470 390 890 740 670
450 550 430 990 880 800
500 600 470 1010 900 900
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能

 下水用空気弁寸法図(参考)
【株式会社 クボタ製】

【株式会社 栗本鐵工所製】


 高さを抑えた設置例


 空気弁室参考図

 下水用空気弁の維持管理

 点検方法と頻度

1) 点検頻度の把握と考え方
 下水用空気弁がメンテナンスを行わずに正常に作動する期間は、流体の性状や運転状況によって大きく左右されます。 従って、その期間を把握しておくことは、適切な維持管路を行っていく上で重要なことです。 目安としては通水後、3ヶ月経過時点で初回の外観点検を実施し、この点検で異常がない場合は外観点検を6ヶ月間隔程度に設定することが可能と思われます。
 異常が発見された場合は内部点検を実施し、点検実施後1ヶ月半後に再度外観点検を行ない、この時異常が見られれば再度内部点検を行なうと共に、より短い周期(1ヶ月以内)で内部点検を行なう必要があります。上記点検周期を参考として使用条件に合った点検周期を決定することが望ましいです。

2) 点検区分
 1 通常点検(外観点検)
 通常点検は、バルブ以外からの点検とし、定期的に巡回点検を行います。
 2 定期点検(内部点検)
 定期点検は、定められた周期でバルブの機能及び動作状況を確認したり、通常点検の結果を参考にして分解・内部清掃や必要に応じて部品交換も行います。

3)点検方法と実施基準
 点検方法を以下に示します。
 1 外観点検:下水の漏れ、または、漏れた形跡の有無を目視で点検
 2 内部点検:内部機構を取り出し、汚泥、シサ等の付着状況を点検
 3 分解点検:総分解、点検、清掃
 基本的な実施基準は下記の通りとします。
1で異常が無い場合は、定期点検時に、2のみ実施。
1で異常が認められない場合は、2、3を実施します。

 定期点検の予算化

 管路や施設を良好な状態で維持するためには、適切な維持管理が不可欠であることは前述の通りです。保守・点検を怠れば弁の破損のみならず管路や施設にも、大きな影響を及ぼすこともあります。
この様な事態を避けるためにも、適切な「点検周期」に基づいた維持管理を計画し、直営か委託かの検討を含め、予算化しておく事が肝要です。
 少なくとも1年に1度は定期的な内部点検の実施が必要です。

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