離脱防止金具による防護工の計算

1. はじめに
 管路の屈曲部に用いる曲管、分岐部に用いるT字管、末端の栓帽、閉塞した制水弁などには水平、鉛直ともに水圧の合力や遠心力が働いて、管の移動や継手の緩み、離脱などが起こる恐れがある。そのため、抜け出し力の作用する箇所には離脱防止金具や離脱防止継手を用いるか、または、コンクリート防護工を施工しなければならない。
 図1にダクタイル鋳鉄管用の離脱防止金具を示す。離脱防止金具は、爪の刃先が管外周のほぼ全周にわたり接触し、管に局部的に過大な応力を発生させない構造のものを使用することが望ましい。
 次項より、離脱防止金具による必要な一体化長さの計算例を示す。

図1 離脱防止金具
図1 離脱防止金具


2. 一体化長さの計算方法

2−1 水平曲管に使用する場合

図2 水平曲管に使用する場合
図2 水平曲管に使用する場合

 

 曲管に作用する不平均力に対し、曲管に隣接した直管1本分の受働土圧抵抗力と一体化長さ分の摩擦抵抗力が作用すると考える。


(1)水圧による不平均力 P


(2)周面摩擦力による合力 Fs


(3)直管部の受働土圧による合力 Fn


(4)力の釣り合い

 式を満足するような一体化長さLを計算する。

(5)一体化長さの計算手順

 最初に式でL'を計算する。


 式で求めたL'がL'≦LpのときはL'が求める一体化長さLである。
 また、L'>Lpのときは式によりLを計算する。

2−2 垂直曲管に使用する場合(一体化によって力が相殺される場合)
 
 隣接する曲管によって一体化された、各々の垂直曲管に作用する不平均力の軸方向分力成分を図2に示す。曲管の軸方向成分の不平均力の分力は、大きさが等しく、互いに逆方向になるので相殺される。よって、残った軸方向成分の不平均力に対する一体化長さLを求めることになる。

図3 垂直曲管に使用する場合
図3 垂直曲管に使用する場合

(1)周面摩擦力 Fs


(2)力の釣り合い


(3)一体化長さ



3. 計算例

3−1 水平曲管の計算例

(1)計算条件
呼 び 径 : D=300 mm(外径D2=322.8 mm)
設 計 水 圧 : p=0.75 MPa
土 被 り : H=1.2 m
土の単位地積重量 : γ=16kN/m3
管と土の摩擦係数 : μ=0.4
土の内部摩擦角 : φ=25°
安 全 率 : Sf=1.25
図4 水平曲管部
図4 水平曲管部

(2)数値計算



 曲管の両端に定尺の直管(長さLp=600cm)を用いる場合、L'<Lpであるから、L=3.98mが求める一体化長さである。

3−2 垂直曲管の計算例

(1)計算条件

呼 び 径 : D=300 mm(外径D2=322.8 mm)
設 計 水 圧 : p=0.75 MPa
土 被 り : H=1.2 m
土の単位地積重量 : γ=16kN/m3
管と土の摩擦係数 : μ=0.4
安 全 率 : Sf=1.25
図5 水平曲管部
図5 水平曲管部

(2)数値計算

 まず、土被りH1=1.2mの管路に対する一体化長さL1を式で計算する。


 

 また、H2=1.2+0.5844=1.7844mに対する一体化長さL2を式で計算する。

 したがって、L1=8.68m、L2=6.08mが管路の必要一体化長さである。
技術計算例
→圧送管路の流量・流速の計算
→離脱防止金具による防護工の計算
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