Q&A バルブ編

Q3

管路の調査・診断の手順はどのようにするのですか?

A  調査診断を効率的かつ合理的に進めるために、以下のフローの手順に従って進めます。
 


図 空気弁構造比較図

図3 調査・診断のフロー


(1)既存データによる診断 
 モルタルライニングの有無、使用年数、過去の事故歴および外部要因によりランクわけを行う。ランク分けの一例を下表に示す。

表1 主要項目による診断
ランク
モルタルライニングの有無
仕様年数b(年)
過去の事故歴
外部要因
T(最優先に更新)
b≧40
・大規模事故
・事故件数多
危険性 大
U(優先的に更新)
40>b≧30
・中規模事故
・事故件数中
危険性 中
V(可能なら更新)
30>b
・小規模事故
・事故件数小
危険性 小
※日本ダクタイル鉄管協会技術資料「鋳鉄管路の診断について」を参考にした。



(2)耐震性検討 
 地震防災対策強化地域内にあって地震対策の検討が必要な場合は、耐震性の検討を行う。

(3)実管路の調査・診断
 既存データによる診断や、耐震性の検討のみでは管路機能低下などの全容が把握できない場合には、直接現地調査などによる詳細診断を実施する。これらの調査には、多くの費用と労力を伴うため、目的に応じた適切な診断技術を活用することが望ましい。
 圧送管路の腐食劣化調査は、自然流下管路と違い以下のような問題点があり、これらの事項を考慮して調査方法を立案する必要がある。
 ・ポンプ圧送のため、下水を長時間止める事が困難である。
 ・鋳鉄管の場合、金属管の為に内面腐食だけでなく外面腐食の発生も考慮する必要がある。
 ・圧送管路の場合、ベンド管による上越しや下越し部分が多くあり、管路が直線となっていない。このため、中間 での下水滞留域が多く、管内を直接確認することが困難な場合が多い。

現在行われている調査項目を次にまとめる。

表2 管路の調査項目

管体調査
現地調査
非破壊
<非開削、不断水>
 ・内視鏡による内面観察
 ・2箇所の空気弁などから圧力差と流量の測定
<非開削、断水>
 ・目視観察
 ・モルタルライニング中性化試験
 ・内面塗膜厚測定
 ・内面の腐食量測定
 ・内面からの胴付き間隔測定
<開削、不断水>
 ・管体外面状況の目視観察
 ・外面からの管厚測定(超音波厚さ計使用)
 ・外面の腐食量測定
 ・スケールチェッカーによる通水断面積の測定
 ・外面からの胴付き間隔測定
 ・携帯顕微鏡による材質判定
 ・室内調査用ボルト・ナットサンプルの採取
<開削、断水>
 ・管内自走装置による管内調査
破壊
<開削、断水>
 ・室内試験用管体サンプルの採取
室内調査
 ・外観目視調査
 ・モルタルライニング中性化試験
 ・管体腐食量調査
 ・管体の材質試験
 ・ボルト・ナット腐食量調査
埋設環境の調査
現地調査
 ・地表面電位勾配測定
 ・管対地電位測定
 ・管電流測定
 ・現地比抵抗測定
 ・室内試験用土壌サンプルの採取
 ・室内試験用地下水サンプルの採取
室内調査
 ・土壌腐食性調査
 ・地下水腐食性調査




(4)総合評価 
 既存データによる診断、管体および埋設環境調査などの診断結果から、総合的に機能劣化程度を評価する。さらに、当該管路の重要度、施工面の制約などを考慮した総合評価を行い、更新計画に向けた最終的な判断を行う。
 評価を行うための手法の一つとして、統計的手法を用いた寿命予測がある。

◎「寿命予測」
(1)強度検討および腐食量推移予測
 JSWAS G-1(下水道用ダクタイル鋳鉄管)参考資料3「埋設管の管厚計算」に基づき、調査管の埋設条件での内圧および外圧に耐えうる最低限必要な管厚(最小必要管厚)を求める。次に外面腐食深さの最大値および埋設年数により、一般的に用いられている鋳鉄管の腐食度予測式(η=KT0.4)を用いて外面腐食の進行を予測し、最小必要管厚および貫通に至るまでの年数を予測する。

(2)腐食量予測
 埋設管路の土質条件の違いが腐食に及ぼす影響をつかみ、それらを用いて管路の健全性の診断を行うことを目的とする。試掘調査データからその地点での条件と腐食の程度のデータをつかみ、その結果から試掘データの無い場所での腐食の状態を推定する。以下に、代表的な予測手法を示す。なお、これらの手法を実施する際には試掘調査データが複数必要である。
 ・多変量解析による腐食量予測式の作成
調査によって得られた管体腐食量、埋設環境データにより、管体腐食に最も影響を及ぼす埋設環境因子を選び出し、多変量解析(数量化T類)を用いて腐食量のモデル式を作成する。
 ・極値統計法による最大腐食深さの推定
調査によって得られた管体腐食量のデータより、その管路における最大腐食深さを極値統計法により推測する。


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